DAOとは、「自律分散型組織(Decentralized Autonomous Organization)」の略であり、ブロックチェーン上で共通の目的を持って運営・管理される組織を意味します。
ただこの自律分散型組織ってどんな組織なのか、イメージしにくいですよね。
今回は下の4つのポイントにそって、DAOについて徹底解説します。
- DAOとは
- DAOの特徴
- DAOの実例
- DAOの課題
DAOとは?
DAOはブロックチェーン上で世界中の人々が協力して運営・管理する組織です。
ブロックチェーンって何?と思われる方がいるかもしれませんが、ブロックチェーンの日本語訳は「分散型台帳」です。
これまでのネットワークは、中央集権型の一元管理されたものが主流ですが、ブロックチェーンでは相互に管理する分散型となっています。
ブロックチェーンを用いることで、世界中のコンピュータで、全世界中の暗号資産の取引を全て記録し、みんなで管理し合うことが可能です。
一般的な会社の組織を考えると、最終決定者の社長が、その下に部下がいる階層的な構造になります。つまり、社長を頂点とする、中央集権的なピラミッド構造になっています。
これに対してDAOでは、組織内に階層がない、フラットな組織構造です。
参加者には投票・意思決定の権限が割り当てられており、意思決定は定められたルールに基づいた投票・合意によって行われます。
つまり、リーダーがいない、参加者一人一人が「主役」の組織になります。
DAOの特徴
組織内に階層がない、フラットな組織構造であるDAOですが、どのような特徴があるのか具体的に説明させて頂きます。DAOには主に3つの特徴があります。
- 全ての人に門戸が開かれている組織
- 参加者に特定のスキルが求められる組織
- 透明性が高い組織
DAOは全ての人に門戸が開かれている組織
通常私達が会社に入社するためには、書類審査や面接試験などを通過する必要があります。そして、全て通過した場合、会社と私たちは雇用契約を結び、働き始めるのが通常です。
しかしDAOでは、インターネットに接続できる環境さえあれば誰でも参加することが可能です。もちろん、参加するために一定の条件が課されているDAOもあります。
しかし、少なくとも年齢・性別・国籍等で参加自体を制限されることはありません。最近よく聞かれる”ダイバーシティ”が進んでいる組織となります。
DAOは参加者に特定のスキルが求められる組織
DAO内では、様々なプロジェクトが運営・企画されています。そして各々のプロジェクトでは、各個人がスキルを活かしてチームで活動します。
DAOでは、スキルがある参加者が重宝されます。
求められるスキルはプログラミング、デザイン、動画編集など様々です。
上述で、誰でもDAOには入れるとありました。
しかし、何かしら秀でたスキルがないとDAO内のプロジェクトに関われない可能性があります。日本の会社員は、一つの会社の中で、様々な部門を経験し、会社内の総合的なスキルを身につけることが多い状況です。そんな日本の会社員とっては、特定のスキルが必要とされるDAOは真逆の世界かもしれません。
DAOは透明性が高い組織
DAOは透明性が非常に高い組織です。DAOがどのような意思決定に基づいて運営されているのかが公開されています。
会社の場合、会社内部でどのような方針が下されているのか、全てが公開されているとは限りません。外部の方はもちろん、社員でも上層部の意思決定を全て知るのは困難です。
一方、DAO内の意思決定は、”ガバナンストークン”での投票により決められます。
ガバナンストークンとは、DAO内で使用される暗号資産を意味します。通常の会社で例えると、株式となります。
ガバナンストークンでの意思決定はブロックチェーン上に刻まれるため、情報は誰にでも確認できます。そのため、DAOは透明性が非常に高い組織です。
DAOの実例
日本でも昨今新しいDAOが生まれつつあります。
日本で有名なDAOの一つに「NinjaDAO」があります。
2022年4月時点で、参加者が17,000人を超える、日本でも最大級のDAOとなります。
「Ninja DAO」は、インフルエンサーのイケハヤ氏により運営されています。
Ninja DAOは、大人気のNFTコレクション、”CryptoNinja”をメインキャラクターとしています。そして、このキャラクターを活用とした、様々なプロジェクトが現在進行中です。
CryptoNinjaを主役にした、YouTube動画や絵本などのコンテンツが生み出されています。
NinjaDAOでは、CryptoNinjaの人気投票や新しいCryptoNinjaの販売先を、DAO参加者で決める企画がたびたび催されています。
Ninja DAO内では、ガバナンストークンである”CNGT”が参加者に配布され、意思決定に使用されています。
このCNGTは、金銭的な価値はありません。しかし、ガバナンストークンを用いて、意思決定するという日本でも最先端の取り組みとなっています。
DAOの課題
DAOにも様々な課題があります。いいことばかりではありません。
主な問題点として3つあります。
- 中央集権的なサポートが現実として必要
- DAOに関する法律・税金整備が発展途上
- クリプトに関するの高いリテラシーが必要
中央集権的なサポートが現実として必要
DAOの特徴として、上述に社長が必要ない、フラットな分散的な組織とありました。
しかし現実では、社長として、リーダーが必要とされるDAOが多いのが現状です。
DAOという組織形態はまだ始まったばかりです。そのため、DAOという働き方に慣れていない参加者も多いです。そのため、DAO参加者へのきめ細やかなケア、そしてプロジェクトの方向性を決める、意思決定が必要とされています。
今後時間が経過し、DAOでの働き方が成熟されることにより、リーダーのいない真のDAO組織が生まれることが期待されます。
DAOに関する法律・税金整備が発展途上
DAOは新しい組織です。そのため日本では、DAOに関する法律や税金の整備が発展途上なのが現状です。
法整備が進んでいないため、DAOのどのような活動が法的に許されるのかがはっきりわかっていません。
例えば、DAOの売上を管理する「共通ウォレット」を用意しようとした場合、法的・税務的にどう扱われるのかが不明です。
DAOという組織形態は、新しい組織のため、既存のルールが想定しないケースが頻繁に発生します。今後法整備が進むにつれて、よりDAOが成長しやすい環境になると思われます。
クリプトに関する高いリテラシーが必要
DAOの問題点として、高いクリプトリテラシーが必要な点があります。DAOではブロックチェーン上のガバナンストークンを用いて意思決定が行われます。そのため、最低限でもガバナンストークンの取り扱いが必要な知識・経験が求められます。
クリプト界隈では、残念ながらSCAMという詐欺行為が多々目撃されています。
もし高いリテラシーがなければ、簡単に騙され、保有しているトークンはハッキングされます。ハッキングされると、保有しているトークンが盗まれてしまう可能性があります。
ただ、事前にクリプトに関する注意点を知っていれば、詐欺行為を回避できます。早めのクリプトに関するリテラシーを学ぶことが大切です。
まとめ:DAO(分散型自律組織)とは?暗号資産投資家が知っておきたい特徴や実例・課題
「DAO(分散型自律組織)とは?暗号資産投資家が知っておきたい特徴や実例・課題」についてご紹介しました。
DAOにはリスクもありますが、そのあたりを十分理解した上で、投資してみることをおすすめします。
今後DAOはますます拡大していくことが予想されているので、気になる方は今後もチェックされることをおすすめします。
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